再生

2011年8月4日(木)

自分で針を刺したら音がもこもこになったので。。。

という電話を受けた。どんな事になっているのかとびくびくしながらの訪問だった。

お客様のピアノはザウター 185 デルタだった。

MK  「どんな風になさったんですか?」
お客様「アクションを引出し、ラジオペンチで待針を掴み刺しました」
MK  「・・・・・・」

自分で弦を張ったり、張弦後の酷く狂った音を調律するお客様は何人か知っているが、整音を自分で試みた方は始めてだった。。。

音を確かめると、確かにアタックの音が“もわ~”としていたが、フォルテは出ていたのでハンマー交換は免れそうだった。
ファイリング(ハンマーのフェルトを一皮むく作業)を施し、再整音すれば何とかなるか。。と一本勝負開始。

Hammer Abziehen

音色の変化を付けやすくする為に整調のパターンも変更

Stosszunge Einrichten

トータルで7時間以上に及んだ作業後、お客様に状態を確認していただいた。
「あ~本当だ、こんなに変わるんですね。奇麗な良い響きになりました」
とご満足いただけた。

作業に時間はかかったが、ハンマー交換にならなかった事が幸いだった。

器用な方々へ:ハンマーに針入れは場所と深さと角度で効果が随分変わりますし、針入れが悪い場合はハンマー交換をしなければならなくなる事もあります。非常に経験の必要な作業ですので大切なピアノでのチャレンジは止めた方が良いと思います。

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