2007年8月11日(土)
緻密すぎる。。。
機械ほとんど使わないで、手作業で良くここまで作るもんだ。
感心しながらエラールのピアノの修理を進めた。今回は、研修生のN君に手伝ってもらう段取りになった。
鍵盤には、1861年と、鉛筆で書着込みがあり、146年の時の流れを文字通り楽器は伝えてきた。
Sebastion Erardのアイデアが継承されるPierre Erardの時代になり製作された楽器は、静かな音楽を奏でるしゃれた洋タンスのよう。
どのような楽器店で誰が購入し、どのように使われていたのかな?
燭台には蝋燭も立てられていたんだろう。
ベヒシュタインが設立され8年。。
リストは50才でローマで僧籍に入った年のようだ。ブラームスは28才、ウィーンに居を移す一年前。。。
ロマン派の時代に入って製作された鉄骨の全くないアップライトは、1830年前後の響きの名残をそのまま残した、当時でも少しノスタルジックな物ではなかっただろうか?
先日みなとみらいのコンサートで使用すると言う事で調整させていただいた1830年代のプレイエルもそうだがこの時代のフランスのピアノは、センターピンと言う回転の軸が一音ずつ分けていないので、串刺し状態になっていて、修復がとても面倒。。しかし、手作業で良く作った物だ:
持ち主の方はフルーティストだが、木管と合わせるのにいい感じかな。
納品したら、アンサンブルを聴いてみたい。
戦争で破壊されなくて本当に良かった。