修理

2012年11月30日(金)

大きな修理は工房に入れないとできないが小修理は一般的にお客様の家で行なう。
いつ何時何が起こるか解らないので、結構ありそうな修理の道具は持ち歩くようにしている。
弦が切れたときや、回転軸がうまく機能しなくなくなることは、毎月のように起こる事なのでこの辺の修理道具は鞄に入っている。

古いベヒシュタインのアップライトで7型というタイプがあり、所有者のジャズピアニストの石井彰さんから象牙がはがれたと言う連絡をうけ、昨日はその道具を持参し修理に出かけた。

Elfenbein

象牙は動くのでそれなりの道具でうまくやらないと、隙間が空いたり反ったり、なんだかんだと問題が起きる。
ドイツの道具屋さんが便利なものを考えてくれたので以前に比べるとうまくできるで助かる。

Reparatur von der Taste

アコースティックの楽器では、良い物を修復しながら大事に長く使用する。という方が絶対良いのに、市場でのデジタルピアノやハイブリッドピアノと呼ばれるピアノの“市場での販売実績という評価”を鑑みるに、多くの方になかなか理解されない現状はどうにも歯がゆく腹立たしくもなってしまう。

最近、ナイトーンと言う商品を考えた田上さんと言う方がいらっしゃるが、ある意味時代の可逆性と言う意味でのアンチテーゼ的な物をこの商品に感じ、自分はそういった物をつい支持したくなる。

久しぶりに、古い映画でも見たくなった帰り道だった。

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