割振

2012年12月24日(月)

クリスマスイブの今日の調律は不等分律だった。

来る1月26日(土) に杉並公会堂でリサイタルをする福田さんからご依頼を受け、先程ご自宅に調律にお伺いした。

福田さんは何年か前からバッハをテーマにチィルクスでリサイタルをされていらっしゃたので、今度のリサイタルはオールバッハではないまでも、バッハをリサイタルの軸にされていらっしゃるのではと思い、友人の岡本君の考えたバッハの不等分律をモダンピアノ用に緩和したバージョンの説明をし、今回はその調律方法で試みてみませんか?と提案してみた。

「面白そうですね」

とコンセプトをご理解いただき、7つの純正5度(702cent) を1セントだけ平均律に近くし(701centに)、余った7セントを残りの5つの5度に1.4セントづつ平均律より狭く (698.6cent)分散したfor Piano from Bach’s seal / Okamoto バージョンだ。
関心ある方は是非岡本君のページを見てください。

調律がおわりチェックいただいた際、バッハでの検証より、次のリサイタルのプログラムにもあるショスタコービッチのH durの調の性格がよくわかる!
と近年の作品にも調の性格を表し理解する事ができるマイルストーンになり得る事がわかり、興味深く福田さんの試し演奏と、感触をお聞かせいただいた。

純粋な響きとの対比があってこそコントラストは明確に感じ、作曲家の頭に響いていたであろう雰囲気は何だったんでしょうね?といろいろ推察してみた。

Probe mit Bechstein B

オルガンやチェンバロはピアノの様な強弱がつかないので、同時に鳴る音のインターバルから生じる響きの唸りの効果は不可欠になるが、その調の性格を意識したであろうピアノ曲を表現する場合、調の性格を感じられる響きの体験は演奏表現の可能性を拡げる意味で大きく生かされるのではないだろうか。

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