自分ごときは未だ未だ飛び回らなければならなく、目が回るような2ヶ月だった。霜月と師走と陰暦で言うが、暦の謂れさえ咀嚼する間もなく月日が駆け抜けていった。年末紅白歌合戦を見て、漸く一年が閉じ、新しい年が始まるという事を認識できた感じだった。
大惨事に被災された方々は、まだまだ癒されきれない日々を過ごされているのだと思うと心が痛む。
お付き合いいただいているお客様にも被災された方は何人かいらっしゃった。震災で損傷をうけたピアノをお見舞いで2台程引取修理させていただいたが、修理を完了させお届けできたのは漸く12月に入ってからだった。
震災直後は生活の復旧をしなければならず、ピアノに想いが至るまでに現地では相当な時間が必要だった事が修理の着工を遅らせた。
修理後のフォルテピアノの仙台への搬入は、業者に任せず運搬から自分たちで行なった。修理前、所有者の先生は足の折れてしまった楽器を手放す事までお考えになっていらっしゃった。しかし、修理し復元した楽器をお弾きいただき、
「こんな素敵な楽器を手放すなんて事をどうして考えてしまったのか。。」
とおっしゃって下さった。
もっと早くにと思っていたが、何とか12月に間に合わせる事ができ、年の最終月に笑顔を頂けた事は幸いだったかもしれない。
とりあえず、でも良いので切りのいい所でけじめをつける。
とりわけ昨年はそう言う状況に置かれていたような気がする。
また、年末には上海と北京と、2回連続で始めての中国に訪問する機会があった。その中で、12月に新たに接した北京での課題は自分の立ち位置では少々荷が重い感じがするが、本質的に元気の出る内容だった。
我々も彼らに負けずに、とりあえずでなく、閉塞感から抜けられる2012年にしたい。