2010年9月4日(土)
木曜夕方、録音は無事終了し、相棒は運び出されるため梱包された。
録音直後、C.BECHSTEINはいい感じに鳴っていた。いい音に、いい音に、という願いがピアノに蓄積されていた。
このまま次の演奏会のために何処かのホールステージに運び入れたいですね。と、レコード会社の方と会話しながら工具を片付けた。
調整室となっていた楽屋を覗くと(ホールで録音する場合、ケーブルを楽屋迄引き込み調整室にする事が多い)、すでに近藤さんと、このプロジェクトのディレクターを努める鈴木大介さんは、編集の確認を済ませた後だった。
Beethovenのピアノソナタは、オーケストラを意識して書かれた。とよく言われるが、今回の録音でも、何故近藤さんがこのプロジェクトにベヒシュタインを選択したのかを、多くの点で感じさせられる内容だった。
ピアノ演奏表現のスタンダード化は、もうつまらない。