2010年3月4日(木)
「う~んなるほど。。」
リーハーサルの間、何度も自分の中のイメージが書き変わる。
今週3月7日(日) 池袋の東京芸術劇場で行われる仲道郁代さんピアノ、有田正広さん指揮のリハーサルが、昨日から始まった。
先月、サントリーホールで使われた1839年製のプレイエルピアノを使用して、ショパンのピアノコンチェルトの2番が演奏される。
最初の通し演奏が終わり、仲道さんが有田さんに向かって言った
「ピアノの響きがとても小さいので、室内楽をやるようにオーケストラの音、一つずつと絡めるように演奏したいんですが」
「できますよ。やってみましょう」と有田さん
リハーサルが進むにつれ、全体の響き具合が変わってきた。
僕の知っているピアノコンチェルトは、ソリストとオケの競争のような演奏が殆どだ。俺が!私が!というプレゼンタティブで華やかな物だ。
しかし、時間の経過とともに創造される響き(本当に創造という単語がふさわしく感じたのだ)は、音と音の尊重であり、オーケストラの全ての楽器とソロのピアノが、まるで人のダイアログのように感じるのだ。
年々過激な音量、迫力で押し切るパフォーマンスより、響きを構成する色彩の中バランスに美しさを感じる。
ある、ピアノの先生に言われた言葉を思い出した。
「野に咲く一輪の花を美しいと思うか思えないかは、受け取る側の心の問題だ」