邂逅

2010年10月16日(土)

久しぶりに深町純さんと仕事をさせていただいた。

まるで、リストがショパンを演奏しているようなパフォーマンスだ。圧倒された。
その人の持っている「何か」が強烈だと、作品そのものが「何か」に支配される。というか、「何か」が、心を同じ場所に誘うと言うべきなんだろうか。

鎌倉の腰越で、今日、明日と、深町さんのショパンのコンサートが企画され、調律をご依頼いただいた。
明日ショパンの命日なので、即興演奏ではなくショパンのコンサートだ。
深町さんとは長くおつきあいさせていただいているが、立て続けにショパンを演奏するのは、自分には初めての経験だった。

深町さんの音に出会ったのは、中学の時買った井上陽水のレコードでだった。
ピアノ、シンセサイザーの音が、凄く印象的だった。なので、いつになくジャケットに書いてある名前を確認した。以来その名前は頭に刻まれていた。

それから約10年後、本物の深町さんに出会った。
ピアノの響きがレコードを聞いた時に体験したのと同じだった。

同じような体験をした事がある。
アメリカからリチャード・ティー (Richard Tee) が来日した時の事だ。
以前籍を置いた会社の上司を説得し、弦とハンマーを交換し改造したCP-80という電気ピアノを、武道館のコンサートのリハーサルに持ち込み、使ってもらえないかとお願いをした事があった。音が立つ感じを気に入ってくださり、コンサートに使用していただく事になった。
彼の作る独特なサウンドは、CP-80を完全に彼の響きにした。

この二人のピアニストの強烈な個性は、いろんな意味で自分に大きな影響をあたえている。

Jun Fukamachi

今日のリハーサルは、84~85年頃からのさまざまな記憶を蘇らせた。

深町サウンドのショパン。完全なるオリジナルだ。リストの演奏会で驚喜する貴婦人が、リストの何に惹かれたのか解るような気がする。

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