ベヒシュタインの修理について

2017年12月2日(土)

ユーロピアノでは古いベヒシュタインのピアノの修理も行なっています。

上の写真のような戦前に製造されたもの(1920年代 製造モデルB)も下の写真の様に製造された当時と同じ状態にすることが可能です。

修理する時に常に考えている事はベヒシュタインの音色を再現するにはどうしたら良いかという事です。その上で修理方法を考え、パーツ、塗料などの材料を選択し、整調、調律、整音で仕上げます。一台のピアノをフルオーバーホールするにはかなり修理時間が必要になりますが、仕上がったピアノの音色にお客様が満足して頂けるよう妥協はせず、時間をしっかりかけて修理にあたっています。

ベヒシュタインの音色は色んな言葉で形容される事があります。音の分離感、色彩感、タッチによる音色のグラデーション変化、などなどそれぞれの方において色々な感じ方があると思います。ベヒシュタインの音色はこうだと言えないところがベヒシュタインの魅力の一つかもしれませんね。それでもやはりベヒシュタインを評価していただける方にはある程度共通の認識を持って頂いているように思えます。それこそ100年以上に渡ってピアノを製造してきたメーカーの苦心の賜物の様に思えます。長い歴史の中良い楽器を製造するために変わる事を恐れず、ピアニストなどの意見も参考しながら研究を行い改良していく。ベヒシュタインの現行モデルのピアノを見ても随所にそういった所を感じることが出来ます。

今後も修理の様子など交えながらそのあたりを紹介していきたいと思っております。