赤坂ベヒシュタインセンターの向井です。
先日、自宅でテレビを見ていたら現代ネット社会の副作用として起こりうるネット依存症やゲーム脳という事をテーマにした番組をやっていました。
これは、ネット依存によって四六時中インターネットやネットゲーム(携帯ゲームも含む)に夢中になっていると脳の前頭葉が次第に萎縮してしまう。という事らしいです。
前頭葉は人間の思考、判断、行動の決定。脳の司令塔的役割をしています。前頭葉が萎縮して働きが弱ってしまうと、どういう事が起こるかと言うと“感情がコントロール出来なくなり惰性や衝動で行動しがちになる=キレやすくなる”・“何事にもやる気がなくなる”・“創造、記憶、コミュニケーション、自制力の低下”などなど、様々な問題が起きてくるという事だそうです。
先日も川崎の中学1年生の男の子が、ある人間の身勝手な行動で亡くなるといった悲しい事件があったばかりですが、昨今の若者による衝動的感情から引き起こされる悲惨な事件は、こういった時代背景から影響を受けているとも言えるのではないかと思います。
この番組を見ながら、そういえば以前テレビ番組の『ホンマでっかTV』の中で、脳科学者の澤口俊之先生が“習い事をさせるならピアノがいい。ピアノが脳にいい”と言っていた事を思い出しました。
その番組の中で澤口先生は、ピアノというのは両手を並列かつ複雑に使い、楽譜を一時的にも記憶しながら演奏し、さらに次に弾く楽譜を先読みします。そして特に重要なのは両手を同じ ように使いますが、その使い方がまったく異なるという点です。これは他のものにはない非常に高度な行為なんですね。つまり、ピアノをやっていると、自然に すべての脳機能を高めてしまうというわけです。「現在、学術的に証明されている限りにおいて、ピアノほど脳にいい習い事はありません」「ピアノのレッスンを続けることによって、脳の監督役でもある前頭前野が構造的に発達し、HQの長期的な発達・・・・」と発言されていました。
と言う事は、もしかしたらもっともっとピアノを習う子供達が増えればこれらの悲しい事件の数々が、今よりも少しでも無くなる事に繋がって、子供たちが豊かに成長できる世の中になるのではないかと・・・・。今までピアノを習う理由として考えていた事に、新たな可能性があるのではないかと思えました。そう考えてみると、ピアノに携わる人間としては間接的にでもより良い社会を作る為に役立てる一つの手段として、私も頑張って更に広くピアノの魅力を伝えていかなければならないなぁ。と思いました。
※ピアノと脳の関係について詳しくは、こちらの澤口先生のインタビュー記事もぜひ読んでみてください。→ピアノが脳にいいってホント?