2015年10月26日(月)
アップライトピアノには必ず付いているフレンジコード(写真1枚目のペン先で示した緑色の部分)と言われるヒモの重要性について少しお話ししたいと思います。
このフレンジコードには細いスプリングがひっかけてあって、弾いた後のハンマーをすばやく元の位置に戻す役目があります。何故元の位置に素早く戻らなくてはいけないのかと言うと、元の位置に戻らないと連打する事ができなくなり、繊細なタッチで弾く事もできなくなるからです。元の位置に戻るのが早ければ早いほど1秒間に連打する回数も増えますし、タッチも軽く感じる事ができるかもしれません。
ピアノを使用してからおおよそ30年~40年経つと、いつの間にか連打できなかったりハンマーが2度打ちする、早いパッセージの曲が弾き辛いなど思うようにコントロールできなくなってしまったってことはありませんか?そんな時に考えられる原因はいくつかありますが、大抵の場合このフレンジコードが切れた事による不具合で使用状況や経年変化でおこりえる症状です。
このヒモが切れている状態で弾いてしまうと、酷い場合フリーになった細いスプリングが折れて支障をきたす場合があります。
2枚目の写真、少し見辛い(ハンマーを外して撮ったもの)ですが見事にコードが切れてしまっています。
修理の仕方は簡単!付いていたヒモを綺麗に取り除き、新しいヒモを付けていきます。
たかがヒモと思うかもしれませんが、タッチと音がしっかり連動していると音の立ち上がりも良くなりますので、
今お使いのピアノの弾き心地に違和感を感じましたらお気軽にお問合せ下さい。
技術スタッフがお答えします。