2016年5月1日と2日の2日間にかけ、第1回ノアン フェスティバル ショパン イン ジャパン ピアノコンクール本選」が汐留ベヒシュタイン・サロンにて開催されました。
会場にはこの画像をパネルにしたものが飾られていました。このパネルの前で記念撮影された方も多くいらっしゃいました。
1日目はB3部門。天候にも恵まれ、いよいよコンクールがスタートいたしました。
この部門はアマチュア・ピアノ指導者部門の15歳以上がエントリーできるのですが、今回最も人数の多い、23名が本選に出場しました。
出場者の皆さんは緊張しながらも、ステージで演奏することを楽しみにしてきた様子で、良い緊張感が会場内に流れていました。
アマチュアとピアノ指導者の方々が混ざった部門ではありましたが、演奏はレベルの高い素晴らしいものばかりで、同じ曲でも演奏者によって違った印象を受けました。
また、皆さんがステージで弾くことを楽しんでいらっしゃり、良い雰囲気の中でコンクールの審査を行うことができました。
ベヒシュタインは音の立ち上がりが早い為、演奏者のタッチに瞬時に反応するという特徴がありますが、コンクールで何人もの方がベヒシュタインで演奏されることで、それぞれのタッチや音の違い等が感じられ、改めてベヒシュタインの特徴を感じました。
この日の結果発表は掲示形式でB3部門の第1位から第3位を発表いたしました。
コンクール1日目終了後の夜はイヴ・アンリ教授によるピアノコンサート。ショパンがノアンで過ごした日々を大倉マヤさんの朗読で辿り、そこで作曲されたものがアンリ教授によって演奏されました。
ベヒシュタインは多彩な音色を出せることが特徴の一つですが、アンリ教授はそれを引き出し、ショパンの音楽を見事に表現されました。
コンクールの審査員を務めてからのコンサート演奏もこなしてしまうアンリ教授は本当に素晴らしく、(3回もアンコールに応えていただきました!)コンサートは大盛況の内に幕を閉じました。
2日目はB2、A1、A2部門の3部門です。
B2部門はアマチュア部門9歳以上14歳以下、プロフェッショナル部門のA1部門は15歳以上17歳以下、A2部門は18歳以上25歳以下の方々が対象となっており、若く有望なピアニストが熱演されました。
特にA部門はピアノソナタ等の大曲が課題曲として入っています。プログラムの構成や演奏にも各ピアニストの個性が表れ、ショパン作品の表現の広さを改めて感じました。
この日は特別賞も含めた結果発表と閉会式を予定しておりましたが、審査が難航し、予定時間より大幅に開始するのが遅くなりました。
出場者の皆様は発表までの時間がとても長く感じられたと思います。 大変失礼いたしました。
また、閉会式では審査員を代表して音楽評論家の真嶋雄大先生から総評を頂きました。
真嶋先生の総評は出場者来場者全ての方にとって、非常に勉強になる、今後の音楽を考えさせられる講評でした。
審査員の先生方
結果発表は以下となりました。
順位に入賞された方、また特別賞受賞の方、誠におめでとうございます。
記念すべき第1回に優秀なピアニストの皆様を選出できたことを誇りに思います。
ノアン賞受賞の松田彩香さん(A1部門第1位)とイヴ・アンリ教授
ショパン・ナイト賞受賞の佐原光さん(A2部門第2位)、奥谷翔さん(A2部門第2位)
国際アカデミー賞受賞の安齋周さん(B3部門第1位)と茂呂明日加さん(A2部門第3位)
ノアンパスポート賞受賞の鬼頭久美子さん(B3部門第2位)
ベヒシュタイン・サロン賞受賞の皆さん
(左より佐原光さん、磯陽南子さん(B2部門第1位)、村上稜さん(A1部門出場))
出場者の方からは「ベヒシュタインは響きや音色が素晴らしい」、「ピアノにはそれぞれ個性があり、それを理解した上で弾くことがこんなにも大事だと気付けて良かった」等、嬉しいお言葉を頂きました。
このコンクールには、ショパンが愛用したプレイエルの流れを継承したベヒシュタインを使用することにより、ピアノの個性や歴史を知って、ピアノそのものに関心を持って欲しいという目的がありました。出場者の皆さんは自身の演奏を通して、また、来場者の方は演奏を聴くことによって、それを実感していただけていれば幸いでございます。
ベヒシュタインについて、質問したいこと等がございましたら、どうぞお気軽にお問合せください。
入賞した方も、また惜しくも入賞を逃した方も、このコンクールに参加していただき、本当に有難うございました。
この経験を糧に、これからもショパンの音楽を愛し、益々研鑚に励んでいただければ幸いです。
皆様のこれからのご活躍を心よりお祈り申し上げます。