2014年11月9日(日)
25年前の今日、ベルリンの壁(Die Mauer)は崩れた。
自分は中学生で、夕飯時にテレビニュースで壁に登り歓喜する光景を見た。クラシック音楽が好きだったこともあり、ドイツに興味を持ったのものこのころだったと思う。そして大学でドイツ史、ドイツ語をやったのも今の仕事で少なからず生きている。
不思議なものだなぁと思いつつ、その壁がなくなった時に、さまざまな「音楽」がそこにあったことも思い出した。
ロストロポーヴィチが壁の前でバッハを弾いた。「第九」の歌詞がFreude(歓喜)からFrei(自由)に置き換えられて歌われた。バレンボイムがベルリンフィルコンサートを東ドイツ市民に無料開放した。(録音でもその熱気が伝わってくる)
その後の25年で様々な問題が生じては消え、また生じた。格差はなくなったという人、依然として壁があるという人。
ある国が消えて、ある国がそれをのみ込む。そういう経験がほとんどない日本人として、そういうことが日常でもあったヨーロッパの国々の音楽を完全に理解することはなかなか難しい面もある。
ヨーロッパの楽器を扱う者として、これからの25年でまた少しでも理解できるような自分になりたいと思う。