2013年10月24日(木)
マデトヤの管弦楽CDが在庫無しで、同時配送ができず入手が遅れていたエル=バシャの約20年ぶりのベートーヴェン・ピアノソナタ全集をようやく入手しました。古くはシュナーベルやケンプもベヒシュタインで録音しています。
今回なぜエル=バシャがベヒシュタインで録音したのかがライナーノーツにも書かれていました。最近の楽器は響きを重視するあまり、打楽器的になり、音楽を表現するのに妨げになってきていると。ブリリアントさを多少犠牲にしてでも、深みのある音色、歌うようなサウンドを自分はピアノに求めるので、ベヒシュタインを選んだと。また、ニュートラルな音(それは空虚ということではなく)を自分は欲していると。ニューベヒシュタインはドビュッシーの求めた伝統的な響きを保持しつつ、パワーを身につけたと評価しています。
演奏の方は、全集だけあってまだすべてを聞いていません。後期のソナタから聞き始めていますが、すごく素直に演奏していると思います。どこでどの音が鳴っているのかが非常にわかりやすいです。中立音というのがよくわかります。バッハ、シューベルトに続いてベートーヴェンに浸る秋になりそうです。