音程感の良い弦楽器同士がぶつかり合う時のうねりと、ピアノとの絡みはエキサイティングで聞き応えがある。。
ピニストの近藤嘉宏さんとの何気ない会話ででた、室内楽をベヒシュタインD282でやってみたい。というアイデアが今日虎ノ門のJTホールで実現した。
プログラムは:
モーツァルト 魔笛から パパゲーノ・パパゲーナの二重唱
編成:ヴァイオリン x 2 、ピアノ
ショパン ピアノコンチェルト2番 室内楽バージョン
ブラームス ピアノ5重奏 へ短調 作品34
編成:ピアノ、ヴァイオリン x 2、ビオラ、チェロ
演奏は
ヴァイオリン: 千葉純子・高橋俊之、ビオラ:河相美帆、チェロ;黒川実咲
ピアノ:近藤嘉宏
で結成される、東京プレミアムアンサンブル だった。
ショパンのピアノコンチェルトは、通常オケでするわけだが、以前、ショパン存命時代のオリジナル楽器のプレイエル・ピアノ(1841年製)と、その当時の菅弦楽器も使用した録音と演奏会を、ピアノ 仲道郁代、指揮 有田正広で行なわれた。
当時その仕事をさせてもらった際、数々の強烈なインパクトを受けたが、中でもピアノソロ部分が室内楽のように感じ、その響きの色彩感には甚く感動した。
そもそも当時のプレイエルは音量が現代ピアノよりも小さい。フルオーケストラをバックにピアノソロを弾いても聞こえてこない。しかしその録音では、ピアノソロ部分では各楽器一台ずつがピアノと絡みあい、見事な音量バランスになった。その響きの中で見えてきたものは、ピアノの内声部に描かれている旋律と弦楽器との絡みだった。
今日の室内楽バージョンでは、このような楽器同士が繰り広げるダイアログと、コンチェルト特有の他の楽器を伴奏にし、華々しくソリストになる部分が交錯していた。
現代のオケのコンチェルトだけからは、音楽の内面的なものに触れる事が難しいが、目の前で繰り広げられる響きの絡みはとてもエキサイティングだった。
ブラームスではただただ心が惹きつけられた。
3・4楽章の迫力はたった5人と思えないほどの色彩感で、兎に角かっこいい!
ここでもピアノと弦のダイアログがいろんな部分で繰り広げられる。
5人で繰り広げられる演奏だったが、目をつむればその倍くらいの楽器数でアンサンブルしているような錯覚すら覚えた。
暫くアンサンブルがマイブームになりそうだ。