2016年9月14日(水)
シーララというフィンランドのピアニストをご存知でしょうか?
すでに何回も来日していますので、お聴きになった方もいらっしゃるでしょう。
私はドイツにいる時にシーララを2回聴きました(10年以上前のことです)。
1回目はケルンでエマニエル・アックスの代役として。そして2回目は同じくケルンの定期ピアノコンサートで。
E.アックスを聴きに行ったコンサートで、急病のために代役をたてたと入口に連絡があり、「どうしようかな?」と思ったのですが、払い戻しもないようなので聴いてみることに。記憶がすでに曖昧なのですが、まわりのお客さんたちの、どこかハプニングを楽しむ雰囲気が忘れられません。
その代役コンサートでの成功が、翌年の定期コンサートのピアニストとしての正式デビューをもたらしました。
その時のコンサートでは、ブラームスのソナタを演奏中に断線し、技術者が5分で張り直したのを思い出します。
そのシーララのおそらくデビューCDがこのシューベルトのトランスクリプションです。テクニックはもちろんありますが、シューベルトの歌曲をいかにピアノだけで表現するか?という部分でも満足のいく演奏ではないかと思います。