2015年4月11日(土)
1908年4月11日、指揮者のカレル・アンチェルが生まれました。チェコ・フィルハーモニーとの名演で知られていますが、その人生は波乱に満ちていると言っていいでしょう。
戦争で家族を失い(ナチスにより収容所へ送られました)、チェコ・フィルの首席、常任指揮の座を失い亡命。どうしてこういう素晴らしい演奏ができるのだろう?と思います。
特に愛聴しているのは、以前の関西ショールームブログでも書いたドヴォルザークの交響曲9番「新世界から」、それにスメタナの「わが祖国」です。「新世界から」は実家にそのLPレコードがあり、この曲を初めて聴いた録音でもあります。たしかグランドキャニオンが赤く染まったジャケットだったと記憶しています。民族色を濃く出しているわけでもなく、どこか淡々とした感じを受けますが、聴き込むとその奥底にある何かを感じられる?
調べると、お国もの以外にストラヴィンスキーやマルティヌーなどの近現代曲も得意としていたようです。カナダ・トロント亡命後はちょっとさびしい感じですが、ロストロポーヴィチとのドヴォコンの共演はなかなか熱いものがあります。