2016年3月8日(火)
古楽の復興に多大な貢献をしたアーノンクール氏が亡くなりました。レオンハルトと共同で完成させたカンタータ全曲録音、ピリオド楽器演奏オケを作ったり、バッハをはじめとしたバロック音楽(古楽)から、最近ではブルックナーなど19世紀末の音楽まで幅広く活躍しました。
昨年末に指揮活動からの引退を表明していましたので、もしかした死期を悟っていたのかもしれません。
自分にとっては、古楽というよりは、モーツァルトの交響曲40番をアムステルダム・コンセルトヘボウで録音したのが衝撃的でした。それまでなめらかに流れるような演奏に慣れてきていたので、激しく咆哮するようなホルン、きびきびとしたスピード感、強弱の振幅の大きさに「これは聴いていてちょっと疲れる」と実際思いました。少し大げさに表現しないと、鈍感な聴き手にはわからないとでもいうような。
今ではそういった演奏も「当たり前」になってきて、また新しい動きを期待するようになってきています。人はすぐ慣れてしまい、また違う刺激を求めるようになりますね。