C.BECHSTEIN S お嫁入り

2016年1月19日(火)

先日八王子工房から旅立ったベヒシュタインS型のお嫁入りに立ち会ってきました。設置してくださるのは、先日と同じピアノ運送のプロ集団、共立ラインサービスさんです。安心してただの見物人でいられます(笑)

あたりをつけたところに置いてDSC_0182

DSC_0185脚を取り付けます。

よっこいしょと起こしてDSC_0187

DSC_0189設置完了。問題ないか最後の点検中です。

これからはO様のお宅に落ち着き、きっと長年愛してくださることとうれしく思います。O様はヴィオラも演奏される方なので、一人きりではなく弦楽器との合わせでも楽しめることでしょう。置く場所はちょうど床暖房のないところで、ピアノのことを考えてくださっているのがわかります。

無事設置完了し落ち着いたところで、倍音の話になりました。今までのピアノですと倍音が聴き取りにくいとおっしゃっていたのですが、ベヒシュタインならその点はお任せください!倍音が聴き取りやすいのです。インハーモニシティと言って、理論上は整数倍で現れる倍音が若干高く出るという現象があります。例えば基音が440Hzの場合、理論上の倍音は880Hz、1760Hzと整数倍になるはずなのですが、実際は881Hzであったり1762Hzになるのです。これは弦の太さや長さ、張力や弦の剛性によって変化します。ベヒシュタインを始めヨーロッパのピアノは手作りですので、1台1台寸分違わず設計通りに作るわけではないのでこのインハーモニシティの出方も固有の変化をします。もちろん他メーカーのピアノもインハーモニシティは存在するのですが、ベヒシュタインはより高く出るように設計されています。そのために音の分離がよく、主旋律・対旋律の弾き分けもしやすいという特徴があります。S型は弦長が短い分さらにインハーモニシティの影響を受けます。今までのピアノとは倍音の出方が異なるので、きっとO様も第3倍音、第4倍音さらにその上まで!?楽しめるのではないでしょうか。

 

ベヒシュタインのS型でチッペンデール(猫脚)のものは珍しいです。DSC_0194

猫脚というと優雅な雰囲気がありますが、なぜかこの子はちょっとたくましさが。。そこがドイツらしいところでもあるのかもしれません。ピアノに合わせた椅子は確かに猫っぽいのですが、S型はなんだかライオンっぽいですねと、O様、O様のお母さまとひと笑いしました。

DSC_0192最後に一通り弾いて頂き、無事お嫁入りの完了です。

O様、S型ちゃんのことを末永くよろしくお願いいたします!

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