社長のブログNo.24「フォルテピアノとドイツリート」

2014年2月7日(金)


ウィーンの名伴奏ピアニスト、エリック・ヴェルバ教授には東京の拙宅に何度かお越しいただいた。日本人生徒さんのレッスンの為である。個人的な関係からもヴェルバさんだけでなく、ドイツのコンラッド・リヒター教授やライナー・ホフマン教授の伴奏でドイツリートを沢山聴く機会があった。ヨーロッパの「伴奏ピアニスト」とは、即ち、「歌曲、室内楽」の教授と解しても良い。日本とこの点は大いに違う。つまり伴奏は、室内楽を理解していなければ成り立たない、ポジションである。

 

さて、ドイツリートの演奏会でいつも感じることは、歌とピアノが丁度眼鏡のように二つの丸い玉としてくっついている印象である。勿論一つ円はピアノの音、もう一つは歌声と歌詞である。上述の名伴奏者のピアノ伴奏の場合は、二つの円全体が、クビレ部分が小さいイメージで長円に聴こえてくる。
ところが、初めて“フォルテピアノ”(=現代のピアノとして完成する前の1750年頃より1850~60年頃のピアノ)の伴奏でドイツリートを聴いた時、伴奏と声が一つの丸い円に聴こえた。その演奏会とは、2012年6月1日の“冬の旅”で東京・近江楽堂であった。
フォルテピアノ演奏は、クレメンティ賞など、コンクールで優勝経験を持つ丹野めぐみさん、歌は三浦英治さんであった。
このとき以来、楽器(フォルテピアノ)、作曲家(シューマン、シューベルトなど)の時代、そして声楽家の3つの要素は「三位一体」を成していると感じた。
正に作曲された時代の「楽器」の音で聴くことの重要性を再認識したわけである。

 

ピアノの3要素についての「三位一体」、演奏の「三位一体」など私は沢山述べてきた。ドイツリートにも「楽器」が重要であるということをありありと体感した次第である。

 

今時、フォルテピアノを聴く機会は殆どない。弊社には、貸出し用のノイペルト 社の「デュルケン」がある。オリジナルの「ジョン・ブロードウッド」(1810年製)とか、「ローゼンベルガー」(1860年頃製)もある。
声楽家の皆様に、是非とも一度、フォルテピアノの伴奏で歌ってみてほしい。時代の響きを体感して頂きたい。ドイツリートがより分かりやすくなる。そして、他の楽器(ヴァイオリン、クラリネット等など)でのロマン派の作品演奏にフォルテピアノを使用してみることも薦めたい。何か新しい発見があること間違いない。

 

弊社の「汐留 ベヒシュタイン・サロン、80名収容)」に“ローゼンベルガー”や、“デュルケン”を置き、低廉で貸し出したこともある。--練習用には、東京・八王子の工房で「デユルケン」を提供できる。
本来、音楽大学がするべきことであろうが、そもそもフォルテピアノをきちんと弾ける人も少ないし、日本では、歴史に学ぶ発想に乏しい。
今年は、汐留で、2月11日より15日の予定でフォルテピアノを使用する演奏会がある。この期間中に声楽勉強者は是非体感していただきたい。
伴奏者を用意できない方には、当サロンの特任講師、飯野さん、丹野さんなどがお手伝いできるであろう。又はご自分の伴奏者を連れて来て新しい体験をすることも良い。
料金、日程などのご相談は、042-642-1040白川まで。
筆者は、ドイツ滞在37年のユーロピアノ代表取締役

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