フォルテピアノ変貌の歴史1からの続編
1700年頃発明され18世紀に改良に改良を重ねヨーロッパ標準としての地位を確立したウィーン式フォルテピアノでしたが19世紀に入ると諸外国から新しいアイディアのフォルテピアノが輸入されウィーンの職人を脅かします。
音楽の中心はウィーンからパリへ移行し楽器はフランス人によって19世紀的な手法での改良がされます。
そして1850年代に決定版としてのモダンピアノの原型が完成します。
講師:汐留ベヒシュタインサロン調律師 阿部辰雄
イベント詳細
フォルテピアノ変貌の歴史1からの続編です。
1700年ごろに発明されたピアノは18世紀に改良に改良を重ね1800年ごろにおいてチェンバロ
から鍵盤楽器の歴史的な主導権を奪う事に成功します。
それはフォルテピアノ変貌の歴史1で説明されていますがある天才的な製造家のアイディアから初の「世の中から必要とされるフォルテピアノ」としてウイーン式フォルテピアノの地位を確立します。
変貌の歴史2はその時点からのお話になります。
ウイーン式フォルテピアノは1780年ごろほぼ構造的に完成しヨーロッパ標準の地位を確立します。その状況は1820年ごろまで続きますが、歴史と伝統を重んじるウイーンの職人に対してウイーンの外の国、イギリスやフランスから新しいアイディアのフォルテピアノが輸入され初期の教育から名声を勝ち取る現在までウイーン式を弾いて育った音楽家ベートーベン、シューベンルトなどにとって外国から来るピアノはピアノを形をした似て非なるもので最初の出会いは2名とも新しいフォルテピアノを決して良くは思いませんでした。
しかし時代は19世紀、音楽に求められる音世界は貴族のお屋敷の一室で演奏されていた規模から数百人、数千人の前で鍵盤楽器一台で演奏するという過酷な演奏能力を楽器は求められます。少しでも人よりも演奏効果のある楽器を弾く事そして認められる事
目まぐるしくフォルテピアノは変貌を重ね演奏能力は飛躍的に向上しました。
しかし当時の音楽家ピアニストはその変貌する楽器に常に追従して自身の演奏技術を合わせる必要がありました。
時期としては1800年から1850年代までの50年間です。このわずか50年の間にそれまで安定的に世の中に存在していた鍵盤楽器が目まぐるしく変化し18世紀的な音楽を目指した小規模なスペースで軽い弾き心地と美しい音を目指したピアノから ほぼ私たちが今、日常的に接しているピアノにほぼ近い原型のモダンピアノのスタイルが確立します。
そこには様々な音楽家と製造家が関わるドラマがあり歴史は作られて来ました。
セミナー開講のタイミングでは汐留ベヒシュタインサロンには1835年製造のウィーン製フォルテピアノローゼンベルガー(オリジナル)が来ていますのでセミナーの内容に完全にマッチした時代の楽器、しかもオリジナル楽器の鍵盤に触れ音を出してみる事も可能です。
是非お時間のある方はこの機会に数々の名曲が誕生した時代に想いを馳せ当時の楽器に触れてみていただけたらと思います。
開催日
2017年8月5日(土)
開催場所
〒105-0021
東京都港区東新橋2-18-2 グラディート汐留1F
料金
一般 ¥1.000 (予約制)