2016年8月23日(火)

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募集内容:あなたのベヒシュタイン、ホフマン ピアノにまつわるエピソード

 

ユーロピアノ株式会社 代表取締役 戸塚 亮一

戸塚社長
弊社は皆様のご支援ご理解のお陰をもちまして、本年11月27日で、創立30周年目を迎えます。
ベヒシュタインは、ヤマハが日本の総代理店となりました歴史もございます。第1回の“毎日コンクール”から、戦前はずっと公式ピアノとして使用されておりました。首相官邸のピアノとして、長く使用されたことや、個人で大切にご使用いただいている100年以上経ったピアノでまだコンサートで使用されているピアノも沢山ございます。
最近では、“ベヒシュタインに演奏の仕方を教えられる!” “ベヒシュタイン・ホフマンにしたらお子様が、俄然一生懸命練習するようになった!” というお話もよく聞きます。これらは単なる宣伝のための作り話でも何でもありません。
いろいろな個性のピアノから学ぶということは、ヨーロッパでは当然のことです。
今回、創立30周年記念の一つとして、ベヒシュタイン・ホフマンにまつわる微笑ましい、感動的なエピソードを一般の皆様より募集いたします。そして、皆様の玉稿の中から、秀作と佳作を選ばせていただき、エッセイ集として出版いたします。
例えば、 “ピアノに教えられたこと” “ピアノ演奏を要求する猫――かじられたピアノの足”私のベヒシュタイン―数奇な運命など。
どうぞ、奮ってのご応募をお待ちいたしております。

募集要項

 

締切

2016年10月31日(月)作品提出・応募締切必着

秀作3点 賞金5万円と記念品(ベヒシュタイン机上置き時計など)の贈呈 佳作10点  記念品贈呈。

募集内容

ベヒシュタイン・ホフマンピアノにまつわるエピソード

提出物

作品
4000字から、40000字程度。写真、カットの使用は自由。データでの提出を推奨いたします。記名の有無はご自由です。
既に発表されたブログ、フェイスブックの再編集も可能です。応募作品の著作権は弊社に帰属いたします。

結果発表

2016年11月27日 (日) 創立30周年目記念日に発表予定。

応募資格

ピアノ愛好家(ベヒシュタイン・ホフマン所有者に限りません。)

審査員(敬称略)

内藤 克洋 (株式会社ハンナ 会長・総編集長、株式会社ショパン 代表取締役)
上前田 馨 (ベヒシュタイン・ドイツ本社 ピアノ製造マイスター)

応募先

ユーロピアノ株式会社 info@euro-piano.co.jp  件名に「エッセイ集係」と明記ください。

エッセイ集の構成

1)公募原稿=当募集エッセイ
2)依頼原稿=主に、古いベヒシュタインを所有される公共施設・機関・大学、及び個人・ピアニストなどにご依頼。
3)弊社作成原稿

エッセイ集の体裁

新書判 200ページ程度。 価格税込800円程度。初版1000~3000部印刷の予定。

お問合せ先

ユーロピアノ株式会社 泰田
TEL:03-3305-1211 Mail:yasuda@euro-piano.co.jp

応募原稿略文 ~参考の為に

 

参考文1:著 ○○夫人

私の父は、満州鉄道に勤務しておりました。戦禍を恐れて、1943年に引き上げることにしました。そのときに、想い出の、”ベヒシュタイングランドピアノ“を半ば隠すように荷物の中に紛れ込ませ、持ち帰ることに成功しました。帰国した広島市郊外で弾いておりましたが、戦火が厳しくなり、西洋音楽であるピアノの音を出すことも憚れて、足を取って立てかけておりました。そこに8月6日原爆が投下され、父は死亡しました。直後にたくさんの“黒い雨”が降りました。ピアノの低音部が10㎝程その黒い水に浸かりました。
少し落ち着いたころ修理を依頼しましたが、「不可能」と言われました。その後10年ほどして、当時のピアノの音が忘れられず、専門業者に修復の可能性を当たりました。
100万円をかけて、修理弦の取り換えをしたら当時の音がよみがえり、今では、近所に住む孫たちが奪い合いで演奏を楽しんでいます。我が家のベヒシュタイングランドピアノは、左側約10㎝は、弦を除いて薄黒い色をしております。

参考文2:ラップくん。

当時小学生5年の私は、学校でいじめられるというか、からかわれることも多く、しかも成績は悪い方で自然と、学校への足が遠のきました。誤魔化して仮病を使っても母親から叱られるし、自然と「登校拒否」となってしまいました。行くところがなく、キリスト教会の紹介で、あるピアノ教室の事務所の片隅で黙って小さくなって過ごし、夕方帰宅する、という毎日になりました。
ある日その教室が面白いメソッドを取り入れることになりました。それは主に、老人を対象にした、ピアノの入門メソッドで最初は全く楽譜を使わないメソッドでした。私もまったくピアノなんて縁のない生活でしたが、先生のお話や、電話での応対を聞くとはなしに聞いていると、“そんなに簡単にピアノが弾けるわけがない!”それに対して“30分で両手で弾けます!”と電話で力説されていました。
たくさんの問合せに何度も答えているので退屈ですからちょっと手に取ってみました。そして、ピアノで先生の電話での応対を参考に一人で弾いてみるとなんと本当にすぐ弾けました。30分どころではなく、5分で1曲終わるものもあります。2時間もすると、その教材の中で知っている曲は全部両手で弾けるようになりました!!!本当です。自分でもビックリしました。先生に“もっとほかの曲はないの!”と聞いてしまいました。
普段は何も話さずに、ただそこに居させてもらっている私が話したことに、みんなびっくりして私の方を見ました。でも、本当に弾けてしまったので誇らしげに要求しました。
すると、又別の教材が出てきました。これも知っている曲は全部すぐ弾けました。自分でもビックリしました。ピアノとはこんなに簡単だった、弾けることに優越感を感じました。
クラスの男子で、確かにうまい友達もいますが、そういう友達は何となくそういう雰囲気があります。でも弾けない同級生には、すぐ誇らしげに聴かせてやりたい、という気が起きてきました。その教室のピアノは、“ベヒシュタイン”というドイツの高級ピアノということで何となくいい音を出していました。どうやらその特約店、ということでした。
翌日また行くと、校長先生のような社長さんが直々に少し教えてくれました。
すると、もうプロのような感じで音が出てきます。すっかり自信を取り戻し、学校に行っておとなしい友達に“ボク、ピアノ弾けるようになったよ!”と言ってちょっと聴かせました。
2か月後に教室の「発表会」 がありました。僕は、ラップで会場を踊りながら歌いました。
“トツカ先生、良かったね!”“僕はピアノがすぐ弾けた”“トツカメソッド素晴らしい!”
とマイクを持ってラップの手拍子で駆け回りました。会場のみなさんは、いつも僕が教室の片隅でうずくまっていることを知っていますから、ビックリしつつ万来の拍手をしてくれました。