はじめに
出来るだけ多くの一流ピアニストと比較することで、あなたのピアノ演奏は楽しくなり、音楽性が2倍にも3倍にも増殖されます。
いまの日本の音楽大学・ピアノ界に最も欠けている点は、「比較をする」ということです。
ヨーロッパのピアノの捉え方・考え方
ヨーロッパの伝統的なピアノには、必ず、ピアノを製造する時に自分たちは「時代を反映してどういうピアノを作りたいか」という基本的な方針があります。
それは、特に古典からロマン派の時代に、音楽家とピアノ製作者が意見の交換をして、ピアノが完成したことに所以します。
各メーカーの製作意図を理解するとそのピアノを演奏するときに、単なる指の運動ではなく、音楽のアイディアが生まれ、あなたのピアノによる表現力が格段に向上します。
ベヒシュタインのピアノはマイスターの作品です。
そして伝統的な「ベヒシュタインサウンド」とも言われる、透明な響きを持っています。
この響きは、創業以来維持され、設計上、構造上も裏打ちをされています。
ベヒシュタインの特徴
音の立ち上がりが速い
つまり、あなたのタッチに瞬時に反応します。ということは、あなたの欲しいと思う瞬間に音が出てくるということです。
あなたの音楽的なアイデアを引き出すのに、反応の速いベヒシュタインは最適なピアノです。普段からベヒシュタインで練習していれば、演奏会でどのメーカーのピアノでも安心して弾くことができます。
透明感ある音
ピアノの音が主張するのではなく、あなたの「個性」が前面に出てきます。一音一音にあなたの伝えたい意味を持たせることが容易となり、
様々な色彩を空間に描くことが可能になります。
多声部からなる音楽では、メロディー・内声部・伴奏部などをそれぞれ手前に出したり、または遠くから聴こえるようにすることができます。
あなたは音楽的な意味を素早く理解することができるようになります。
その特性を実現するために、構造上、製造上の数々の秘密が駆使されています。
打弦ピーク音からの減衰が早く持続する音
この点は、他社と比較されると明らかです。というのは、ピアノが20世紀に完成される過程(1860~70年)で、各メーカーは音量を追求する数々の工夫をしたことに対して、ベヒシュタインは、より音楽的な上述の2項目を重視したからです。
この工夫のヒントは、リストの演奏から得ております。つまり、ヴィルトーゾとして名高いリストの作品には、沢山の音が同時に打鍵される曲があります。
ですから、その一音一音がサロンできれいに聴こえて、しかも強弱によって抑揚豊かに、音域により響きの違いを作ることで、響きが立体的に聴こえるようにしたいからです。
全部の音量がただ大きく音の減衰が遅いとしたら、それぞれの音価の判断ができず、平坦な表現に聴こえてしまいます。
減衰してゆくときの色彩感をコントールしようとすると、ペダルを多用しなければならなくなります。
それを想像してみてください、ペダルのみでは多くの倍音が消えてしまいます。
ピアニストの内田光子さんは、大原美術館所有のベヒシュタインに触れ、”音が消えてゆく時の美しさを表現できるピアノに久しぶりに出会えた”と述べています。(中国新聴1995年10月15日)
減衰が比較的速いとその分、音が混じり合いながら消えてゆく時の「色彩感」を出すことが出来ます。
印象派のドビュッシーはこの点を評価して”ピアノ音楽はベヒシュタインだけのために書かれるべきだ!”という言葉を残しているほどです。
メロディー、内声部、伴奏部などのラインとして立体的に描かれた演奏を、聴衆はきれいに分けて聴くことが出来ます。
心地よい、歌うようなベヒシュタインの音は、更に抑揚感と表現の幅を広く感じさせます。
音域のバランス感
同時にベヒシュタインサウンドは、オーケストラを意識した、「音域のバランス感」に支えられております。
力強く、しかし強調されすぎることのない低音、伸びのあるリリカルな中音、歌うような高音---それは現代の要求に叶う響きの理想的な特徴です。
ピアノから教えられる
数々のピアニストが述べていることです。じっくり演奏されて、音楽的に沢山のヒントを得てください。
おわりに
今日のピアニストの求める音の基準に対応するために、このベヒシュタインの魔法のような魅力は、魂を震わせます。
響きを立体的に構築できる、透明感がある、音域のバランス感、優美さ、音の立ち上がりと減衰、これらはすべてベヒシュタインならではの特徴です。
以上の説明は、単に美辞麗句ではないことを、短い時間の演奏・試弾かもしれませんが意識して体験してください。
詳しく、「何故そうなのか?」をお知りになりたい方や、ベヒシュタインで練習するときのヒント、又はご購入の相談など、詳しい説明をお望みの場合は、ベヒシュタインジャパン正規代理店にお問い合わせくださいませ。