特長
弊社が販売のために輸入したベヒシュタインで、おそらく一番古い製造番号ではないかと思われます。ベヒシュタイン創業から14年、カール・ベヒシュタインがグランドピアノを作り始めて10年ほどたったころの楽器でしょうか。ワイマールのリストハウスにあるベヒシュタインよりも、さらに古い楽器です。製造時はまだベルリオーズも生きており、J.ブラームス34歳、クララ・シューマン48歳、F.リスト56歳、フォルテピアノからモダンピアノへの過渡期と言えます。

楽器は190㎝余りで85鍵のスリムな印象です。譜面台の燭台部分はフォルテピアノのように前に出てきます。電灯が一般的に広まるのはエジソンの白熱灯発明の1870-1880年代ですから、照明は当然ロウソクだったのでしょう。特徴は、平行弦、突き上げ式シングルエスケープメントアクション、補助鉄骨というフォルテピアノ的な要素が多く残った構造です。ベヒシュタインの学んだ当時のフランスのピアノ、特にショパン当時のプレイエルの響きをも彷彿させるのが魅力的です。

ハンス・フォン・ビューローはシングルエスケープメントを高く評価していたと聞きます。1857年のビューローのリサイタルで師のリストのh moll ソナタの初演の成功が、ベヒシュタインを地位ある存在に引き上げるきっかけになりましたが、このビューローの演奏会で弾かれたであろうピアノの特性に近い事は言うまでもなくありません。

ベヒシュタイン170年の歴史を知る上でも重要な楽器です。
ゆっくりとご試弾ください。
サイズ
奥行:192cm × 間口:137cm
価格
¥7,150,000(税込)
状態
中古 /  展示中
展示場所

ベヒシュタイン・セントラム 東京