第3回ノアンコンクール:ショパンナイト Facebook掲載記事

2019年12月3日(火)

先の投稿にてショパンナイト賞受賞の後藤さんのレポートを掲載いたしましたが、今回はノアンフェスティバルショパンin Franceのフェイスブックに掲載されましたレポートを大倉景子さんが翻訳してくださいました。

 

1849 年10 月16 日から17 日にかけての未明にこの世を去った作曲家を追悼し讃える「ニュイショパン(ショパンナイト)」の夜会が、ジョルジュ・サンド郷の古城、アルス城で今年も盛大に催された。

2018 年第2回ノアン フェスティバル ショパン イン ジャパンで特別賞を受賞した後藤アリサ優子がリサイタルの一番手で、<バラード第1番 op.23>、<スケルツォ第4番 op.54> <幻想曲 op.49> を情感豊かに歌い上げた。聴衆はショパンの3曲の大作の、巧みな技巧でコントロールされた、しなやかなで個性豊かな演奏にうっとりと聴き惚れた。

正餐のあとのリサイタルは、パリの「国際アマチュアピアニスト大コンクール」に2018 年に続き19 年も入賞を果たしたピアニストのジュリアン・エイローが、<ノクターン第1番 op.27>、<葬送ソナタ op.35 >、<子守歌 op.57> を演奏。
社会的に重い責任のある仕事に忙殺されながら、同時にピアノに情熱をかけるこの謙虚で、感じのよいアマチュアの、ハイレヴェルの演奏に暖かく惜しみない拍手が続いた。

夜会を締めくくるエポックピアノの名手イヴ・アンリのリサイタルは、クララ・シューマンの<ロマンティックなワルツ op.4>で始まった。偉大なシューマニアンはこの夜、クララ11 歳の時の作品で、彼女のピアニストそして作曲家としての驚くべき天分を証明した。次に2曲の<ノクターン op.27 と op.48>、1846 年ショパンのノアン滞在最後の年に書かれた傑作<幻想ポロネーズ op.61>が演奏された。

アンコールに応えて、 作品64 の2曲のワルツがプレイエル1849 とシュトライヒャー1871 で弾かれ会場は深い感動と祈りに満たされた。

翻訳:大倉景子