2015年2月23日(月)
ルドルフ・ゼルキン(Rudorf Serkin)氏のサインが入ったベヒシュタインS型(中古)が赤坂に来ました。(正確には貸出期間を終えて戻って来た)
サインの日付は1935年。戦前、ベヒシュタインの上顧客にはユダヤ人が多くいたと聞いています。ゼルキン氏もボヘミア出身のユダヤ系ピアニストでしたか ら、きっとベヒシュタインのお得意様だったのでしょう。ちょうど、この時期はナチスの冷酷なユダヤ人迫害の渦中でしたのでゼルキン氏がこのベヒシュタインに サインをした意味には歴史の重みを感じずには居られません。
因みにこのBechsteinモデルS (1930年頃製造)。
なんと奥行140cmの超小型ベビーグランドなのです!
外装もマホガニー艶出し再塗装済みで大変綺麗です。
このモデルSは1930年頃に当時ロンドンにもあったベヒシュタイン工場で製造されたものです。モデルSはごく一時期しか製造されておりませんでし たので大変貴重なモデルです。通常このサイズになるとグランドピアノとしてちゃんと鳴る楽器にするにはかなり設計が難しく、あまり良い物を見かけませんが このモデルSはさすがベヒシュタインの最高技術によって作られただけの事はあってこんなに小さくても全くサイズを感じさせない素晴らしい響きを持っていま す。オーバーホール済みで安心して弾いて頂けます。こんなカワイイボディでもキチンと総アグラフ・窓開き鉄骨と往年のベヒシュタイン設計を採用しています ので、しっかりベヒシュタイントーンを味わえます。
日本の家屋にベストマッチのサイズで、入荷の度にあっという間に売れてしまう超人気モデルです。早いもの勝ちです!!
向井