1919年8月23日、国語学者の大野晋氏が誕生しました。今回はあまり音楽に関係してこないかもしれませんがお付き合い下さい。
1999年、「日本語練習帳」(岩波新書)が大ヒットし注目された人ですが、もっと前から気になっていた人です。というのは、私の母親が大学で大野晋氏に教えてもらったことがあり、そこから私の弟の名前が「晋」になったからです。
もちろん日本語練習帳は読んだのですが、もっと面白いのが「日本語の源流を求めて」(岩波親書2007)です。日本語の源は、インドやスリランカあたりで使われているタミル語ではないか?、という説を唱えた内容です。日本語は、文字は中国の漢字を借りて、さらにかな文字を生み出したり、独自路線をいく言語のように思っていたのですが、この本を読んで驚きと興奮をおぼえました。本の内容は自分で読まないとなかなかわからないので省きますが、ドラヴィタ語族のタミル語と単語での類似点が非常に多く、今でもインドあたりでこういう言葉を使っていると、案外日本語も通じるんじゃないか?と思います。
言語と音楽は「歌」という形で結びつきます。単純に音楽(器楽)を聴く時は、そのメロディーに身を任せることができますが、歌曲や宗教曲、オペラを聴く場合は、その歌詞を知っているのと知らないのでは理解度が全く違います。
イタリア語、フランス語、ドイツ語、英語、そしてラテン語といろいろありますがそれぞれに特徴があり、翻訳した歌詞ではなかなかメロディーに合わなかったりということもあります。
個人的にはドイツリートをよく聴きますが、自分がドイツ語を習ったことがあり、その響き、意味を少しは理解できるからだと思います。
その国の人の考え方、文化、そして音楽は、その国の言語が深く関わっていますから、異文化(音楽)を理解する手段として、言語構造やその響きを知っておくことはすごく有効と思います。リズム感やメロディーの歌わせ方もやはり言葉が関係しています。(「そのメロディーもっと歌って!」とかいいますよね?)
個人的には今はフランス語を勉強したいのですが、なかなかテキストを買うだけでできていません。17-19世紀のヨーロッパ宮廷ではフランス語で語られていました。ドビュッシーやフォーレの歌曲もきれいな曲が多いので、時間をみつけて勉強したいです。
大野晋氏からかなり脱線しました。