2009年2月2日(月)
よっ。久しぶり!
東京ショールームの玄関を入ったら、ちょっと前から一階に座っている、111歳の爺さんの朗々としたバリトンに迎え入れられた。
信じられないくらい、ハキハキとそして朗々とした響く声をもったそのベヒシュタインは、今までこの場所で、彼の真価を認められないでいる悔しさを全く感じさせない、堂々とした気品を漂わせ、機敏な動きを見せてくれる。
通常、アップライトピアノは、グランドに比べると連打の部分でタッチ性能が落ちると言うが、まだ、徒弟制度のまっただ中にあった時代に製作された、そして、こつこつと完全に修復されたアクションは、完全にその通説を否定する。
その秘密は、鍵盤とアクションを接合する部分のアブストラクトとよばれる複雑なからくり
と、ジャックに付けられる、もう一つの複雑なスプリングにある
これだけ複雑なからくりは、現代の製造現場の価値感ではなかなかやりきれるものではない。
レガートな早いトリルができる敏感な反応は、指からハンマーの間にある全てのアクションの存在を忘れさせる。
きっと真価を解ってくれる人があらわれるよ。と、今日は写真を撮ってみた。