2010年1月17日(日)
近藤嘉宏さんのベートベンピアノソナタの2作目が先月発売された。
録音は前にブログで書いた第1作目の時と同様、ベヒシュタインDを所沢ミューズのキューブホールに持ち込み行った。
ディレクターの鈴木大介さん、エンジニアの坂口さん等スタッフも同じなので、録音も始めてみるとまるで昨日からの仕事が継続した感じを受けた。
そんな状況での録音であったので、今回のCDは前回のベートーベンピアノソナタ一作目と同じ印象で仕上がっているなと感じサンプルを聴かせていただいた。
今回は、16番 op31 No1, 17番のop31 No2(テンペスト), 18番 op31 No3と前回に引き続き中期の作品になっている。
音大受験を目指す子供の家から、又、音楽大学の学内の練習ボックスからも頻繁に聞こえてくる曲である。
このような経験はステージで活躍するピアニストもしている筈だし、世界の巨匠と言われるピアニストもベートーベンのソナタを弾く。
なので、ピアニストにとってベートベンを弾くという事はある意味非常に嫌な事ではないだろうかと思う。
しかし、近藤さんの演奏は、すなわち陰影と三次元的な奥行きを感じ、練習曲として耳慣れた演奏から受ける曲のイメージを払拭させてくれる。
ベヒシュタインの響きの特徴を見事に生かした、何故ベヒシュタインを近藤さんが選んだのか理解できる作品だ。