響板ニス

2007年2月9日(金)

ベヒシュタインLの響板ニスを塗る計画を昨日立てていたが、もう少し丁寧に。。。と、響板補修の仕上げ等に時間がかかり、今日にずれ込んでしまった。

今日は、八王子のA先生の家に調律に行く約束をしていたので、塗装の得意な、M課長とK君にAKさんと一緒に作業をしてもらうように朝お願いし、調理に出かけた。
A先生宅は、19世紀のピアノが数台置いてあり、今日は、1839年製造のプレイエルと、1850年台製造のベーゼンドルファーの調律をした。
両方のピアノとも、未だ今のピアノにあるような鉄骨はない。。

調律は、(恐らくご主人の管楽器とのアンサンブルの関係でだと思うが)プレイエルが430Hz, ベーゼンドルファーが438Hzで、と依頼され、1/8分割の不等分律で行った。
現在一般的な平均律は、1オクターブを12等分してあり、どの調で弾いても同じ響きになるが、不等分立は、純正5度ときれいな3度があり、調によって響きの具合が違う。
基本的にC Dur, F Dur辺りが奇麗で、そこからシャープ、フラットが増えていくと(例えば、G Dur D Dur, A Dur、→)響きが緊張してくる。
1/8は、比較的平均律に近く、純正5度が1オクターブ内に4つあり、残りの8つの5度を等分割している。

という調律を19世紀の二台のオリジナルピアノで行ったが、2台のユニークさと、異なるアクションのタッチの違いの違和感を克服する仕事だった。(調律の音は、タッチの感じで随分変わってしまうから)
駒や鍵盤部等に、当時製作した時に記したであろうサインがあり、150年以上前の職人のメッセージを受信するような気がしながら、いささか精神修行風の5時間だった。

工房に戻ったら、AKさん達が仕上げてくれたベヒシュタインのニス塗りがすかり完了していた。
これで週末をはさんで数日乾燥させ、その間に他の修理を進行させて行く。

とても色んな事があった一日になった。

Bechstein L soundboard lack

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