故豊増昇氏のBECHSTEIN

2019年9月24日(火)

先日、吉祥寺のコミュニティセンターでイヴ・アンリさんのコンサートがありました。

ひっそりとそのスペースに置かれていたピアノがベヒシュタインのE型フルコンサートでした。

なぜここに?ということなのですが、日本の国際ピアニストの草分け的存在の豊増昇氏が使用していた楽器が寄贈されたとのこと。フレームを塗り直したのか製造番号がないのですが、支柱のケース番号から1928年ごろの楽器とわかりました。(豊増氏は1930年代にドイツに留学されてました)

設置の環境がこの楽器にとっては厳しく、調整には時間を要しました。なかなかハードなタッチだなと思いつつ、アンリさんのリハーサルが始まりました。はじめは眠っていた楽器が徐々に目覚め始める。小一時間弾くと当初の音とは別物の響きが出てきました。

リハーサル後少し音を拾っているうちに開場、満席で素晴らしいコンサートだったと後で聞きました。