池内紀さん逝去

2019年9月7日(土)

先月末、自分が書店員だったころから読み親しんできたドイツ文学者、エッセイスト、大学教授など様々な肩書を持つ池内紀氏が亡くなった。日本ではカフカ研究の第一人者だった。

ゲーテの「ファウスト」やカフカ短編集、グリム童話の名訳もあるが、少し肩の力を抜いたエッセイが好きだった。ドイツはもちろん、日本の山や身近な町についても旅が好きでよく書いていた。「こういう気ままな旅ができたらいいなぁ」といつも読むたびに思っていました。

78歳と聞いて、そんなお歳だったか!と驚くくらい文章はいつも生き生きとしていた。今はついこの前出た中公新書の「ヒトラーの時代」を少し読み始めたところ。池内氏ならではの従来とは少し違った視線でヒトラー時代のドイツが書かれているのでは?と期待しつつ。

残念ですね。