今月の1枚 Oktober 2022 
エル=バシャ ショパン:24の前奏曲

2022年10月5日(水)

 

ずいぶんとごつごつした響きだなぁというのが第一印象。日本では8月に発売されたアブデル・ラーマン・エル=バシャのショパン。さっそく聞いてみる。24の前奏曲、幻想曲、舟歌、子守歌と有名どころが並んだ内容、もちろんピアノはベヒシュタインD282。

演奏はメリハリがあり素晴らしいと思いました。前奏曲では有名な「雨だれ」、変にしっとりとせず淡々と進んでいきます。次の曲とのギャップがまたよかった。と全曲を聞きとおすと、始めにいだいたちょっとした違和感はなくなっていて、再度あたまに戻って聞き直していました。耳が慣れたのかな。

ちょっとした違和感とは、何か乾いた(中身があまりつまっていないような)音質だなと。録音はフランスのリムーザン州のヴィルファヴァール農場となっています。調べると音響がよいとなっていて、過去のエル=バシャの録音でも何度か使われています(ベートーヴェンのソナタ全集も)。フランスの好みの音なのかなとも思いますが、エル=バシャはこれに満足していたのかな?とも思ったり。

技術者はInstagramのフォロワーになっている人、ラ・ロック・ダンテロンでの調律もしていて、ベヒシュタインの”Love Story”というDVDにも出ていた、有名なデニス・デ・ヴィンター氏です。きっと時間がなかったのだろうと思いました(調律の問題ではなく整音)。録音裏話もできたら聞いてみたいところです。他の楽器使用の同じ録音会場の音源も今度は聞いてみようかなと。

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