C.Bechstein S ベヒシュタインベビーグランド展示開始しました(1)

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赤坂ベヒシュタインセンターでは、ベヒシュタインGPで最も奥行の小さいS(140㎝)の展示が始まっています。

ベヒシュタインは1930年前後、ベルリンだけでなくロンドンにも工場を構えていました。Sは1936年~1944年まで製造されていましたので、ロンドン製とベルリン製の2つがあります。もっとも、戦時中はドイツとイギリスが敵対国だった為ロンドン工場は閉鎖されてしまいました。そのため戦時中のSはほぼベルリン製ということになります。
 ちなみにベルリン製もロンドン製も楽器の造り自体に違いはありません。ロンドン工場にもベヒシュタインの品質管理責任者が常駐して現地技術者が作業しましたので、品質的には大きく違いませんが、ベルリン製の方が人気があるようです。ロンドン工場は戦争中に工場の資料が焼失してしまったため、製造台数や製造年などほとんど分からなくなっています。今では周辺資料から断片的に推測することしか出来ませんが、ロンドンには工場と支店があったというのですから、ロンドン近郊のピアノ愛好家の間ではベヒシュタインはかなり人気のあるピアノだったことが伺えます。
 
 今回赤坂ベヒシュタインセンターで展示を始めたSはベルリン製です。
 小型GPを作るということは、実はメーカーにとっても勇気のいることです。なぜなら大きいピアノも小さいピアノも製造するのに必要な手間やお金はさほど変わらないので、小さいピアノ程価格に対して費用が割高になるのです。それに、果たしてそんな小さなグランドで音楽的に満足のいく音色が出るのか、という疑問も湧いてきます。
 続

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