2010年12月5日(日)

療治

音楽の心や体への効果は古から理解されている。 そもそも教会における音楽の発展は、キリスト教への信仰を深めたいという音楽の心への作用の期待があった事が、大きな要素として考えられる。 美しいハーモニーを聴いたときの感動や、リ… 続きを読む

2010年11月24日(水)

告別

日常の朝は、会社に到着した部下の言葉で一変した。深町さんの訃報だった。 全く予期せぬ言葉に、何かの間違いでないかと思わず二度聞き返した。 まだ、先月、鎌倉のコンサートで仕事をさせていただき、別れ際会場の玄関で、 「明日は… 続きを読む

2010年11月14日(日)

立体

立体 仕事柄、二台合わせの調律をする事がある。それも、同機種ではなく、他機種を合わせるという事が殆どといっていい。 昨日は、国立音大のTクラスの発表会で、東大和市のハミングホールでの仕事だった。 ピアノコンチェルトがあり… 続きを読む

2010年10月30日(土)

繊細

C.BECHSTEIN D-280を持ち込んでの秩父ミューズパークでの録音は今回で2回目。 首都近郊とは思えない森の中の空間は、日々の雑踏を完全に遮断してくれる。 ピアノの設置が完了し、今回の録音を担当する阿部君が調律を… 続きを読む

2010年10月17日(日)

語部

今日ショパンの命日は、遠藤郁子さんのショパンの演奏会の仕事だった。 スタインウエイの調律の方と時間をずらすため、昨晩、調律を事前にすませておいた。今朝は調律時間を調整し、少し遅めに、初めて仕事をさせていただく遠藤さんとの… 続きを読む

2010年10月16日(土)

邂逅

久しぶりに深町純さんと仕事をさせていただいた。 まるで、リストがショパンを演奏しているようなパフォーマンスだ。圧倒された。 その人の持っている「何か」が強烈だと、作品そのものが「何か」に支配される。というか、「何か」が、… 続きを読む

2010年10月9日(土)

出会

ぐっと腹に響きが伝わってくるピアノに出会う事がある。 今週もそんなピアノに巡り会った。仕事で知り合った音楽番組プロデューサーのお宅でだった。 勿論、響きは鼓膜から音として認識されるのだが、優れたピアノの場合、鍵盤の振動、… 続きを読む

2010年10月3日(日)

多声

題材に取り上げられたのは、バッハ・ゴールドベルク変奏曲 ユーロピアノ東京ショールームで、本日、マティアス・フックス先生のレクチャーコンサートがあった。 もう10年位前だろうか、、、フックス先生の同じテーマのレクチャーコン… 続きを読む

2010年9月19日(日)

流派

ずっと情報発信している事の一つに、フォルテピアノ製造流派の話がある。古典派時代~ロマン派時代のヨーロッパのピアノは、製造流派により個性が違っていたという事だ。 地域による音楽の嗜好、又、社会の変化による需要変化から生じた… 続きを読む

2010年9月4日(土)

着地

木曜夕方、録音は無事終了し、相棒は運び出されるため梱包された。 録音直後、C.BECHSTEINはいい感じに鳴っていた。いい音に、いい音に、という願いがピアノに蓄積されていた。 このまま次の演奏会のために何処かのホールス… 続きを読む