続けて3月もJ.S.バッハを。
ピアノを習う人は避けて通れない(と思う)J.S.バッハの「インベンションとシンフォニア」、息子のフリーデマンのために書かれただけあって、練習のイメージがつきまといますが、そんなことは全くなく、いろいろな人の演奏で自分は楽しんで聞いています。
今回は昨年ベヒシュタインを福田ひかりさんが弾いて録音されたものを取り上げます。ライナーノーツに曲のこと、音律のことなど詳しく書かれているので、一読いただければと思いますが、ピアノは「Bach’s seal 1.0」という不等分律で調律されています。それと知らずに聞けば、あまり意識されないと思いますが、普段の平均律ピアノとはどことなく違う響きの部分もあります。モデルはフルコンサートのD282ですが、音の録り方なのか少し小型のピアノで弾いているような印象を受けました。なかなかコンサートでこのプログラムは組みにくいですし、個人的に楽しむものなのかなと思います。
調律は同僚の野中さんが担当、このブログで何回も取り上げているT.Garlin氏とも親しいのだとか。いい音です。
高校生になってから自分はインベンションをやり始め、いまだにシンフォニア全部を弾き切れていませんが、ト短調やホ短調のシンフォニアはなかなか美しく弾いてもよし、聞いてもよしという感じです。あと2曲でやっと全30曲を終えられます。チッコリーニの即興的に入れる装飾音、グールドのリバウンド音、華やかな音のA.シフ、コープマンやヴャルヒャのチェンバロも聞いていて楽しいです。
CDジャケットは2声や3声のメロディーが立体的に組み合わさっていく様を表しているのかな?と思いながら、通勤の行き帰りで聞いています。