モデルの変遷 アップライト編 その1

2021年7月20日(火)

 

C.Bechstein モデルの変遷  アップライト編 その1

 

ベヒシュタインのピアノはモデルが非常にたくさんあります。私は約20年、調律の勉強をはじめてから、ユーロピアノからベヒシュタイン・ジャパンへと過ごしてきましたが、新品はもちろん中古で過去のモデルなどを知るにつけて、覚えることが多く、個人的にまとめておきたいと考えるようになりました。もちろんモデルの変遷を記したメーカーの資料があるので、それを見れば大体のところはわかります。そこへ過去自分が見たことあるモデルにはコメントをそれぞれ付け加えることでもう少し具体的なものにできればと思っています。(もちろん見ていないモデルも多数あります)

 

1990年代まではわりとコンパクトにまとめられそうだったので、アップライトピアノからはじめようと思います。またGP、UPとどちらも1900年より前となると資料が少ないのかあいまいな感じがします。

 

1902年まで、(もしくは製番61,600まで)主に5つのモデルを製造していました。それらはⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴとローマ数字で呼ばれていました。1902年以降はアラビア数字の6、7、8、9、10とそれぞれ置き変わっていきます。(細かい部分は多少の違いはあるが、音やタッチは大きくは変わらないと)

Ⅰ(6)は、高さ145㎝で鍵盤数88、ベヒシュタインのアップライトで一番背の大きなモデルです。実際このモデルを自分は見たことがありません。今では頻繁に輸入されているグランドのSモデルを縦にしたくらいの大きさ。古いフランス語のカタログ(ポスター?)に載っていましたが、外装の彫りこみも贅を尽くしたものです。どんな音だったのか聞いてみたいですね。その画では高さ150 ㎝となっていましたが、実寸はさまざまなのでしょう。(微妙に異なる)

 

Ⅱ(7)は高さ138㎝で鍵盤数88、このモデルは一度すごくぼろぼろの状態で入荷してきたのを見ました。今のアップライトに慣れていると「でかいな!」という印象がありました。

 

Ⅲ(8)は高さ127㎝で鍵盤数88、言わずと知れた現在コンサート8と呼んでいるモデルの前身です。ベヒシュタインの特徴として、マイナーチェンジが多く、大きさも時代によりかなり違います(特に奥行きが)。修理や中古で仕入れてくることが多いですが、大きさは本当に違います。ちなみに今のコンサート8はメーカー公式Pでは、高さは131㎝となっています。以前は8aとか8bとか脚柱の違いでモデルが別れていました。

 

 コンサート8

モデル8 (修理後)

Ⅳ(9)は高さ122㎝で鍵盤は85、これはつい先日すごくきれいに修理され、納品されたので記憶に新しいです。キャスターが脚の中に埋め込まれた感じになっているので、それほど高さを感じません。コンパクトで音もよく、弾きやすかったです。

 モデル9 (修理後)

9をモデルにしたエンパイア様式

Ⅴ(10)は高さ127㎝で鍵盤85、平行弦モデル、ものすごくぼろい状態のものを見た記憶がありますが、定かではなく、平行弦だ!というくらいしか印象に残っていません。

その後11、12と数字モデルは続きます。

11はおそらく9の後継機種で、鍵盤が88になっています。1985年から2007年まで製造され、2000年からは「コンサート11」となっています。11aはストレート脚、11bはおそらく猫脚ですが、自分は見たことがないですね。

コンサート11

12はこれまでで一番小型のアップライトで114㎝、脚のタイプで12a、12bと12n(脚柱のないタイプ)があります。だいたい1952年から1995年まで製造されていました。12は小型ですごく人気があり、これまで何十台も見てきました。ピン板が見えていたり、隠れていたりと40年の間にマイナーチェンジもありますね。

時代により、また輸入の状況により鍵盤は象牙だったり、アクリルに変えられていたり。

12b

12n

つづく

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