ジャン・シベリウスが中学生のころから好きでずっと聴いている。フィンランドの宝とされ、彼の作った交響詩「フィンランディア」は第二の国家とも言われている。合唱でもよく聞く。ヴァイオリンを専攻していて、有名なヴァイオリン協奏曲や交響曲、管弦楽曲、室内楽作品も多い。ピアノ曲は大きなものはほとんどないが、小曲・小品はたくさんあって、これがまたとてもよいのだ。(ちなみにヴァイオリン協奏曲は、カラヤンが好きだったので、クリスティアン・フェラスの独奏のものが好きだ)
日本では、ピアニストの舘野泉氏がシベリウスのピアノ曲を広めるのに大きな役割を果たしている。自分もピアノ曲のほとんどは舘野氏の録音で知った。
そんなシベリウスのピアノは、1915年に彼の50歳の誕生日祝いにプレゼントされたスタインウェイだ。アイノラという彼の奥さんの名を冠した住まいにおいてあり、今もしっかりと家族らで管理されている。彼の前でW.ケンプが「ハンマークラヴィーア」、E.ギレリスはショスタコヴィッチを弾いたりしたこともあると。舘野氏や以前ブログで紹介したグラスベック氏の録音でこのピアノの音は聞くことができる。重厚な見た目からは想像できない乾いたかわいらしい音がするなと思った。
「モミの木」Op.75-5、「ロマンス」Op.101-1や「村の教会」Op.103-1などがよく知られるが、「樹の組曲」以外にも「花の組曲」や5,6,8,10などのひとまとまりとなった小品は本当にどれもカラフルで耳に心地よい。
なかなかコンサートではこれらの曲はプログラムにのらないが、そもそもそれらは個人で楽しむための曲のような気がする。初夏や初冬など季節の始まりになぜか聞きたくなる。
次は「スクリャービンのピアノ」です。