尾山調律師のブログ Die Musikgasse(音楽の小道)
キスマークのついたピアノ
それは昨年亡くなったフジコ・ヘミングさんのキスマークです。都内某施設にあるベヒシュタインのフルコンサートグランドに、それがあるのを見たことがあります。 おそらく周りの誰かにのせられて(勧められて)のことだっ… 続きを読む
かっこいいピアノ
「かっこいいピアノ」と聞いてピアノそのものを考えたのですが、自分はすぐにフリードリヒ・グルダの演奏を思い浮かべてしまいました。 「ジャズも弾くへんてこなピアニスト」「ウィーン三羽烏の一人」など数多くの形容を… 続きを読む
面白いピアノ
ピアノの歴史はほぼ330年(諸説あり)、その間様々なピアノが作られました。はじめはグランドピアノ様の横型、それから100年ほど後に縦型も普及しだした。さらには家具や美的感覚を追求した形の変わったピアノ、鍵盤… 続きを読む
ベヒが買いたい!(最近読んだ本から)
昨年末から鹿島茂氏の『馬車が買いたい!』(白水社)を読みました。以前読んだ青柳いづみこさんの著書に、ショパンもパリでは馬車がとにかく買いたくて仕方がなかったと、この本が紹介されていた。そして偶然昨年12月に… 続きを読む
エキゾチックなピアノ
「異国風」「外来の」と訳されるエキゾチック、そもそもピアノはヨーロッパ発祥の楽器、日本人にはエキゾチックに決まっている。しかし最近活躍している若いピアニストにとって、ピアノは生まれてからずっと身近にあった楽… 続きを読む
五月蠅いピアノ
5月中にこのタイトルで書いておかないと、と少し焦りつつ。「五月蠅い」と書いて「うるさい」と読む。完全な当て字がキーボードに打ち込むと自然に出てきた。かつて夏目漱石が書いていたと仕入れた情報だが、この季節ハエ… 続きを読む
「いつものピアノ」
「イキモノピアノ」ではなく「いつものピアノ」、自分にとって今はベヒシュタインのアップライトピアノ・classic118がそれにあたる。祖母が亡くなった時に残してくれたお金で「エイッ」という気持ちで2008年… 続きを読む
「愛のピアノ」
『魂のピアニスト』と呼ばれた(誰が言いだしたかは知らない)フジコ・ヘミングが先日亡くなりました。自分が技術研修生だった頃、「フジ子ちゃん(自分たちは親しみを込めてこう呼んでいました)がベヒシュタインを弾いた… 続きを読む
今月の1枚 Dezember 2023
眠れない夜のバッハ

自分のベヒシュタイン録音はこの1枚から始まった(と言ってもいいでしょう)。マティアス・フックスの弾くJ.S.BachのGoldberg Variationenです。ユーロピアノに技術研修生で入… 続きを読む
今月の1枚 November 2023 夢

今月と言ってももう明日で嗚月も終わり。 最近調律にうかがったお客さんが、ドビュッシーの「夢」を弾いていると聞き、久しぶりに取り出しました。確か2年前のこのシリーズのはじめにも「夢」のアルバムを取り上げたと思… 続きを読む