ピアノとピアニストの再会に立ち会った。
「二年ぶり。。」ピアニスト住友郁治氏は鍵盤にそっと手を触れた。
眠っていたピアノが起きた。
色彩豊かな響きがピアノから放たれた。
2007年4月28日、住友郁治氏は東京文化会館にベヒシュタインD-280を持ち込みリサイタルを行なった。
その際収録したCD Oratio (Bishop Records EXAC006-007)
モーツァルト K.332、ベートーベン 熱情、リスト 巡礼の年報第2年イタリア等収録
は、レコード芸術07年12月号で準特選盤に選ばれる等、そのパフォーマンスは高く評価さたが、その時使ったピアノが神戸芸術センターに納品さている。
そして、一昨日のリサイタルがピアノとの再会になった。2年と5ヶ月ぶりである。
レコード芸術07年12月号評より
~特筆に値するのは使用楽器がベヒシュタインであることで、このピアノはある点では現代のコンサート向きに機能を高めながらも、「古のれん」らしい、どこか質朴で渋い趣を保っている。特別な愛好者がいる事も頷ける楽器である。~
神戸芸術センターのリサイタルでも、ワクワクさせるパフォーマンスは聴き手の心をしっかり掴んだ。内声の抑揚が響きに深みを与えていた。
コンサートをやり終えた住友氏の笑顔は、仕事の出来映えそのままだった。
今年のコンサートツアーの最後を飾る東京公演は、9月24日(木)東京文化会館小ホールで行われる。今回も、ベヒシュタインD-280を持ち込んだコンサートになる。つい先日迄、近藤嘉宏氏のレコーディングに使用していたピアノだ。
CONCERT PROGRAM
J.ハイドン ソナタ Nr.50 in C dur Hob.XVI -50
L.v.ベートーベン ソナタ Nr.17 in d Op.31-2 『テンペスト』
J. ブラームス 6つのピアノ小品集
F.リスト 巡礼の年報 第1年『スイス』より代6曲<オーベルマンの谷>
F.リスト メフィストワルツ 第1番 村の居酒屋での踊り
19:00開演/18:30会場 料金:一般?4,000 学生?2,000