チッコリーニのピアノ

2026年2月10日(火)

 

アルド・チッコリーニ(1925-2015)、イタリアはナポリ出身で後にフランスに帰化したピアニスト。晩年はベヒシュタイン始めいろいろなメーカーのピアノで録音してくれたので、今も楽しく聴き比べなんぞができる次第。

初めてチッコリーニを聴いたのは、恥ずかしながら調律の専門学校時の課外授業だった。約25年前? 在籍していた学校は、なぜか日本ナポリ協会の支部だったので、毎年ナポリ関係のアーティストのコンサートを聴いたり、隔年ではナポリの楽器店に就職した人もいた。(かなり南欧の雰囲気で、そのまま行方知れずになった人もいたと聞く)

そんなナポリ協会関係で、チッコリーニが名古屋で、しかもイタリアのファツィオリを弾いた。308というおそらく最大のピアノ、ペダルは何本だったか確認を怠たりましたが、ベートーヴェンのワルトシュタインを弾ききったチッコリーニに拍手喝采。いやー、長生きするもんだなと(当時はそんなと思ってなかった?)

ちなみにナポリは、池上英洋氏も本に書いているが、非常に事件が多く危ない街。自分が学生時に旅行で訪れた際も、深夜銃声を聞いた(気がする)。スパッカ・ナポリは財布やカメラ、時計は深くしまい込んで歩いた。ピッツァは食べず中華料理ばかり食べていた。カセルタの宮殿やアマルフィ、サレルノ、ソレント、ポンペイはとても平和なところで昼間からビルラを飲んでいたのだけど、ナポリはなんか怖いイメージがあります。

その後この業界に入り、いろいろなピアニストや先生に話を聞くと、チッコリーニは必ず尊敬するピアニストとして名前があがった。改めて自分の好きなスカルラッティやバッハ、ドビュッシー、サティ、セブラックと聴いてみた。(それまではリストの曲集しか持っていなかった)素晴らしかった。シンフォニアの装飾符は何度真似してもカッコよく決まらない。サン=サーンスのコンチェルトやセブラックの休暇の日々のオシャレなこと。 ベヒシュタインを弾いたモーツァルトやクレメンティのCDについては、かなり前のブログで書いたが、高齢なのになんて遊び心ある演奏なのか!と驚いた。F.グルダに似た部分もあったのかな?と。

昨年、ベヒシュタインジャパンのカレンダーにも取り上げられた自伝?「わが人生」の文章も、調律のお客さんから本を借りて読んだ。面白かった(海老彰子さんの訳だった)。 YouTubeでもめちゃ遅い「愛の挨拶」とかライブ映像がたくさん見られる。折に触れてこれからも聴いていきたいなぁと思うのであった。

次回は「ツィンマーマンのピアノ」ということで。