帝国ホテル夏恒例のジャズイベント 「IMPERIAL JAZZ 2026」(2026年8月11日・12日)に、
今年もベヒシュタインピアノが参加します。
今回も豪華なアーティストの皆さんがさまざまなスタイルで極上のジャズを聴かせてくれます。
詳細はこちら▶︎ https://www.imperialhotel.co.jp/tokyo/event/imperial-jazz#anchor
今年のピアノはコンサートシリーズ B-212とL-167の2台のベヒシュタインです。
インペリアルジャズ2024の様子

インペリアルジャズ2025の様子
帝国ホテルとベヒシュタインの出会いは旧く、ちょうど100年前の1926年、
帝国ホテルで4日間にわたりベヒシュタインピアノを使用したコンサートが開催された記録が残っています。
今回はそのお話を少しご紹介します。
※図版:大橋幡岩氏の資料より
帝国ホテル2代目本館、アメリカの著名建築家フランク・ロイド・ライト設計の
通称「ライト館」開業間もない大正15年 (1926年)、その2、3階に設けられた
「帝国ホテル演芸場」においてベヒシュタインピアノを使用した4日間にわたるコンサートが開かれていました。
上の画像はその時のポスターです。
100年前にベヒシュタインピアノの音色がライト館の中で鳴り響いていたのです。
このコンサートが開かれた1926年は、奇しくもベヒシュタインの創業者、
カール・ベヒシュタインの生誕100年にあたる年でした。
ライト館の時代
帝国ホテル演芸場とベヒシュタイン
■100年前のピアノ演奏会
大正12年(1923年)のライト館開業から3年後の大正15年 (1926年)。
当時、東京音楽学校(東京藝術大学音楽学部・大学院音楽研究科の前身)に招聘されたばかりの二人の外国人教授、チャールス・ラウトルップ(デンマーク出身の指揮者/ピアニスト)、レオニード・コハンスキー(ロシア出身のポーランド人ピアニスト)の共演による、ベヒシュタインピアノを使用したコンサートが「帝国ホテル演芸場」で開催されました。
上の図版はこのときのプログラム表紙です。実に100年前の演奏会です。
ライト館開業当時は、日本で西洋音楽の教育や演奏会が盛んになり始めた時代であり、海外から優れた教育者、演奏家が多数招聘されていました。
ライト館の2・3階に設計されたこの演芸場は、そうした一流の音楽家による演奏会を次々と開催し、新しい時代の首都東京における西洋音楽をはじめとした文化・娯楽の殿堂として、人々を魅了する存在になっていました。
このプログラムや前掲のポスターには「ベヒシュタインピアノ使用」と、ピアノを強調するように記載されています。
本場の正統な西洋音楽を提供するのだという主催者の熱意からでしょうか。
また当時ベヒシュタインについて「他の追随を許さぬ、名実共に世界最善のピアノ」と謳い日本の総代理店となった日本楽器(現ヤマハ㈱)が、本場ドイツの最高品質のピアノを日本に導入することを通じて、日本の音楽文化を発展させようと情熱を燃やしていたことの表れかもしれません。
■日本のピアノ産業とベヒシュタイン
このコンサートの5年前、大正10年、日本楽器は技師4名を、世界のピアノ市場の実態を調査させるべくアメリカからイギリス、ドイツ、イタリアなどへ視察に送り出しました。
その中でドイツのベヒシュタインこそが世界最善の楽器と確信を持つにいたり、結果としてベヒシュタインピアノの輸入総代理店契約を結びました。
さらにドイツからベヒシュタインの技師長を招聘してその製造技術を吸収していくことで日本のピアノ製造技術が大きく向上していくこととなります。ベヒシュタインピアノの物理的・技術的輸入が日本のピアノ産業発展の契機となったと言って間違いないでしょう。
コハンスキー教授、ラウトルップ教授のコンサートが開催されたこの時期は、まさに日本のピアノ産業の開化期に当たる時期といえます。
ラウトルップ氏・コハンスキー氏
■現在のベヒシュタイン
現在のベヒシュタイン輸入総代理店である㈱ベヒシュタイン・ジャパンは、2022年1月、「帝国ホテル 東京」に程近い日比谷の地にフラッグシップショールーム「ベヒシュタイン・セントラム 東京」を開設しました。
現在ベヒシュタインはドイツ本国を中心にヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界各地の主要都市に旗艦店を積極的に展開しています。日比谷の店舗開設もその世界戦略の一環といえます。
先の戦争で大きなダメージを受けたベヒシュタインでしたが、高いピアノ製造技術と精神は脈々と受け継がれ、近年その品質の良さが世界中で再認識されています。
多くの世界的ピアニストからの名声を集めるとともに、世界各地の音楽祭やコンクール(※)でベヒシュタインピアノの採用が顕著に増えています。
ベヒシュタインはいま、「世界最善のピアノ」と謳われたその歴史に新たな時代の1ページを書き加えている真最中です。
これまで積み重ねてきた歴史と伝統、そしてそれぞれの時代の音楽的要求に応えながら進化し続けるC.ベヒシュタインのピアノづくり。
これからもベヒシュタイン・ジャパンは様々な活動を通じて、一人でも多くの方にこのベヒシュタインの至高の音色をお届けしてまいります。
※ 2025年「第19回ショパン国際ピアノコンクール」にベヒシュタインが50年ぶりに使用ピアノとしてエントリーしました。
※ 日本国内におけるトップクラスの権威と伝統ある音楽コンクール「日本音楽コンクール」と、70年以上の伝統を誇る学生向け音楽コンクール「日本学生音楽コンクール」に、2026年もベヒシュタインが指定ピアノとして使用されます。
<参考文献>
・『洋琴 ピアノものがたり』檜山陸郎 著 (芸術現代社)





