2011年4月1日(金)

張弦

ピアノの音源は言わずと知れた”弦”だ。 現在は、張力が高いので弦は鋼鉄の素材を使う、が、18世紀中期のフォルテピアノは、鋼鉄ではなく軟鉄がその材料となる。 今回、調布にある音楽大学が所有する18世紀中期のプレイエルの弦交… 続きを読む

2011年3月6日(日)

調和

先週末、久々の工房コンサートを行なった。 今回も稲岡千架さん・末永 匡さんの2台4手のデュオピアノだ。 “形が違うピアノの響き”が交わるのが、このユーロピアノ工房コンサートならではの醍醐味ではないだろうか。 市民会館や文… 続きを読む

2011年2月18日(金)

社長のブログNo.20 弊社の販売網-2 「ピアノ専門店のホームページ上の注意すべき記事」

  多忙にかまけて、随分ブログ記述を怠ってまいりました。お詫び申し上げます。 [ton art]は読んでいただけたでしょうか? さて、昨年のNo.17(2010.3)のブログで、弊社のモットーでもある、「ピアノ… 続きを読む

2011年1月30日(日)

緻密

僕が初めて降り立った海外の地は旧東独のLeipzigだった。 当時の東独は、町に余計な色が無く、外国人向けのドルかドイツマルクしか使えない高級ホテルの中でさえ、清楚で静かだった。 まだ暗い朝、ホテルの窓から見える、車が殆… 続きを読む

2011年1月22日(土)

団欒

先日、川崎市多摩区役所のロビーで内藤晃さんのコンサートが行なわれた。 プレイエルのピアノを会社から運ぶ事になり、調律に伺った。 ロビーはコンサートを想定して製作された訳ではないだろうが、空間が広く、石の壁の響きの魅力に包… 続きを読む

2010年12月25日(土)

完成

今年の夏に録音した、仲道郁代さんピアノ/有田正広さん指揮のショパン・ピアノコンチェルトのCDが今月22日発売された。 コロンビアさんが視聴盤を送ってくださったので、自宅のステレオ装置で聴いてみた。録音時の光景が思い出され… 続きを読む

2010年12月19日(日)

響演

全日本ピアノ指導者協会 PTNA(ピティナ)さんと、杉並公会堂にベヒシュタインを納品以来、お付き合いしている。 杉並公会堂を舞台にする、ステップというピティナさん主催の行事に協力、という形での関わりが最も濃い感じだ。 ス… 続きを読む

2010年12月12日(日)

二昔

20年間使われたベヒシュタインのメインテナンスをした。 納品された記念に、当時シュトゥットガルト音楽大学の学長だった、コンラート・リヒター教授のレクチャーコンサートがこのサロン/スカイハイ竹内(大田区)で行なわれた。 コ… 続きを読む

2010年12月5日(日)

療治

音楽の心や体への効果は古から理解されている。 そもそも教会における音楽の発展は、キリスト教への信仰を深めたいという音楽の心への作用の期待があった事が、大きな要素として考えられる。 美しいハーモニーを聴いたときの感動や、リ… 続きを読む

2010年11月24日(水)

告別

日常の朝は、会社に到着した部下の言葉で一変した。深町さんの訃報だった。 全く予期せぬ言葉に、何かの間違いでないかと思わず二度聞き返した。 まだ、先月、鎌倉のコンサートで仕事をさせていただき、別れ際会場の玄関で、 「明日は… 続きを読む

2010年11月14日(日)

立体

立体 仕事柄、二台合わせの調律をする事がある。それも、同機種ではなく、他機種を合わせるという事が殆どといっていい。 昨日は、国立音大のTクラスの発表会で、東大和市のハミングホールでの仕事だった。 ピアノコンチェルトがあり… 続きを読む

2010年10月30日(土)

繊細

C.BECHSTEIN D-280を持ち込んでの秩父ミューズパークでの録音は今回で2回目。 首都近郊とは思えない森の中の空間は、日々の雑踏を完全に遮断してくれる。 ピアノの設置が完了し、今回の録音を担当する阿部君が調律を… 続きを読む

2010年10月17日(日)

語部

今日ショパンの命日は、遠藤郁子さんのショパンの演奏会の仕事だった。 スタインウエイの調律の方と時間をずらすため、昨晩、調律を事前にすませておいた。今朝は調律時間を調整し、少し遅めに、初めて仕事をさせていただく遠藤さんとの… 続きを読む

2010年10月16日(土)

邂逅

久しぶりに深町純さんと仕事をさせていただいた。 まるで、リストがショパンを演奏しているようなパフォーマンスだ。圧倒された。 その人の持っている「何か」が強烈だと、作品そのものが「何か」に支配される。というか、「何か」が、… 続きを読む

2010年10月9日(土)

出会

ぐっと腹に響きが伝わってくるピアノに出会う事がある。 今週もそんなピアノに巡り会った。仕事で知り合った音楽番組プロデューサーのお宅でだった。 勿論、響きは鼓膜から音として認識されるのだが、優れたピアノの場合、鍵盤の振動、… 続きを読む

2010年10月3日(日)

多声

題材に取り上げられたのは、バッハ・ゴールドベルク変奏曲 ユーロピアノ東京ショールームで、本日、マティアス・フックス先生のレクチャーコンサートがあった。 もう10年位前だろうか、、、フックス先生の同じテーマのレクチャーコン… 続きを読む

2010年9月19日(日)

流派

ずっと情報発信している事の一つに、フォルテピアノ製造流派の話がある。古典派時代~ロマン派時代のヨーロッパのピアノは、製造流派により個性が違っていたという事だ。 地域による音楽の嗜好、又、社会の変化による需要変化から生じた… 続きを読む

2010年9月4日(土)

着地

木曜夕方、録音は無事終了し、相棒は運び出されるため梱包された。 録音直後、C.BECHSTEINはいい感じに鳴っていた。いい音に、いい音に、という願いがピアノに蓄積されていた。 このまま次の演奏会のために何処かのホールス… 続きを読む

2010年8月31日(火)

気合

運送屋さんに無理をお願いし、今朝6時、フルコンサートピアノは八王子工房を引取られた。 まだ猛暑が続くが、涼しい早朝だったのでピアノの変化は最小限だったと思う。 運送屋さんと工房の皆に心より感謝だ。 前回は、季節外れの雪の… 続きを読む

2010年8月26日(木)

加減

夏の時期は冷房を入れるので、ピアノのピッチは通常高めに変化する。 響板の反応が良いピアノ程音程は元気に暴れる。大きく変化する箇所は、中音域の低音側になる。 ピアノは通常平均律で調律するが、4度や5度の調和感が中音域の音程… 続きを読む